『ワンピース』の物語において、最も脅威とされる海賊団の一つ「黒ひげ海賊団」。元海軍大将クザン(青キジ)の加入により、その脅威性は一層高まり、世界政府からも最重要監視対象として警戒されています。
黒ひげ海賊団の特徴は、その異質なメンバー構成にあります。元海軍大将、インペルダウンの元看守長、そして最悪の囚人たちが集結し、さらに謎めいた悪魔の実の能力を持つメンバーが揃っているのです。
特に、提督であるマーシャル・D・ティーチは、通常では不可能とされる2つの悪魔の実の能力を持ち、その正体や目的に多くの謎が残されています。
また、元海軍大将クザンの加入理由や、船名の由来、さらには実在の海賊との関連性など、様々な謎が物語に深みを与えています。
この記事では、黒ひげ海賊団の全メンバーの詳細な情報はもちろん、懸賞金や能力、そして organization に秘められた謎について徹底的に解説していきます。
最強組織・黒ひげ海賊団とは
ここからは、世界政府からも最も警戒される組織となった黒ひげ海賊団について、その特徴や評価を詳しく解説していきます。
組織の危険性と特徴
黒ひげ海賊団は、提督マーシャル・D・ティーチの下、10の船団から構成される巨大組織です。
その危険性は、メンバー一人一人が持つ特異な能力や背景にあります。
特筆すべきは、そのメンバー構成の異質性です。
インペルダウンに収容されていた最悪の囚人たち、元海軍大将、そして元看守長など、通常の海賊団では考えられない異色のメンバーが集結しています。
また、各メンバーが強力な悪魔の実の能力者であることも、組織の脅威をさらに高めています。
特に提督の黒ひげは、「闇」と「地震」という2つの悪魔の実の能力を併せ持つという、歴史上前例のない特異な存在として知られています。
世界政府からの評価
世界政府は黒ひげ海賊団を、最重要監視対象として位置付けています。
その理由として、以下の3つが挙げられます。
第一に、提督である黒ひげの持つ2つの悪魔の実の能力は、世界の秩序を根底から覆す可能性を秘めています。特にグラグラの実の能力は、センゴクの言葉を借りれば「世界を滅ぼす力」とまで評されています。
第二に、組織の急速な拡大と勢力の増大です。マリンフォード頂上戦争後、黒ひげは空位となった四皇の座に就き、その影響力は劇的に増大しました。さらに、元海軍大将クザンの加入により、その軍事力は一層強化されることとなりました。
第三に、メンバーの異常な戦闘能力と破壊力です。インペルダウンから集められた凶悪囚たちは、それぞれが世界政府にとって脅威となる存在でした。彼らが一つの組織として結束し、さらに強力な悪魔の実の能力を得たことで、その危険性は計り知れないものとなっています。
黒ひげ海賊団メンバー詳細一覧
ここからは、黒ひげ海賊団の各メンバーについて、その経歴や能力、懸賞金など、詳細な情報を一人一人解説していきます。
提督:マーシャル・D・ティーチ
黒ひげ海賊団の頂点に立つマーシャル・D・ティーチ(黒ひげ)は、身長344cm、年齢40歳の巨漢です。
偉大なる航路出身で、チェリーパイを好物とする一方で、その正体には多くの謎が残されています。
最大の特徴は、通常では不可能とされる2つの悪魔の実の能力を所持していることです。
白ひげ海賊団のマルコが「体の構造が異形」と指摘するように、その身体的特徴は普通の人間とは大きく異なります。
さらに、生まれてから一度も眠ったことがないという特異な性質も持ち合わせています。
所持する悪魔の実の能力は以下の通りです。
- ヤミヤミの実(ロギア系)
- 闇の引力で周囲のものを飲み込む能力
- 能力者に触れている間は、その能力を無効化
- 通常のロギア系と異なり、受ける痛みは常人以上
- 悪魔の実の歴史上、最も凶悪と評される能力
- グラグラの実(超人系)
- 大気にヒビを入れ、震動による衝撃波を生成
- 地震や津波など大規模な自然災害を引き起こす
- センゴクが「世界を滅ぼす力」と評した最強の能力
- パラミシア系最強と呼ばれ、ロギア系をも凌駕
黒ひげの現在の懸賞金は39億9600万ベリーにまで上り、その危険性の高さを如実に示しています。
物語の展開において重要な鍵を握るキャラクターとして、今後の動向が注目されています。
1番船船長:ジーザス・バージェス
操舵手も務める1番船船長ジーザス・バージェスは、身長355cm、年齢29歳のレスラー風の巨漢です。
「チャンピオン」の異名を持つ彼は、リキリキの実の能力を得る前から、木造家屋を投げ飛ばすほどの怪力と武装色の覇気を操る能力を持っていました。
一見すると単純な脳筋キャラクターに見えますが、実は意外な知略も持ち合わせています。
革命軍のアジトを発見するなど、その洞察力と行動力は侮れません。
悪魔の実の能力:リキリキの実(超人系)
- 超人的な怪力を獲得
- 通常では不可能な重量物の持ち上げが可能
- 能力自体はシンプルだが、その活用法には制限も
現在の懸賞金は2000万ベリーとなっています。
しかし、この額は彼の真の実力を反映していない可能性が高く、今後の活躍次第で大幅な上昇が予想されます。
2番船船長:シリュウ
元インペルダウンの看守長として恐れられたシリュウは、身長340cm、年齢44歳の危険な存在です。
インペルダウンでは、囚人たちを"遊び"で斬殺する事件を引き起こし、その残虐性から自身も死刑囚として収容されることとなりました。
シリュウが所持するスケスケの実の能力は、元々アブサロムが持っていた能力でしたが、何らかの形で継承することに成功。この能力継承の詳細は現在も謎に包まれています。
悪魔の実の能力:スケスケの実(超人系)
- 自身の身体を完全に透明化
- 所持している武器なども同時に透明化が可能
- 潜入や暗殺に特化した能力
- 元能力者のアブサロムからの継承過程は不明
彼の懸賞金は現在公表されていませんが、その危険性と実力から、相当な額であることが推測されます。
3番船船長:ヴァン・オーガー
狙撃手として名を馳せるヴァン・オーガー(音超)は、身長340cm、年齢27歳のイーストブルー出身の狙撃手です。
その長身と細身の体型、そして常に携帯する長銃が特徴的です。
その狙撃の腕前は常人離れしており、メリー号でのエピソードでウソップが「どんな視力、銃、腕前の狙撃手だよ」と驚嘆したほどの実力の持ち主です。
この発言は、オーガーの能力が通常の人間の限界を超えていることを示唆しています。
悪魔の実の能力:ワプワプの実(超人系)
- 瞬間移動が可能
- オペオペの実よりも広範囲の移動が可能
- 移動に特化したサポート系能力
- 距離に応じた体力消耗のリスクが存在
現在の懸賞金は6400万ベリーで、これは彼の狙撃能力と悪魔の実の能力の危険性を考慮して設定されたものと考えられます。
4番船船長:アバロ・ピサロ
「悪政王」の異名を持つアバロ・ピサロは、身長505cmという巨体を誇り、年齢42歳のノースブルー出身者です。
その異名の通り、かつてある王国で悪政を敷き、国民を苦しめた過去を持ちます。
その暴政があまりにも過酷だったため、最終的には国民の反乱を引き起こすこととなりました。
性格的な特徴として強い支配欲があり、組織内でも度々仕切ろうとする面が見られます。
そのため、ラフィットから「ぶち殺しますよ」と警告を受けたこともあるほどです。
悪魔の実の能力:シマシマの実(超人系)
- 島との同化能力を持つ
- イシイシの実に類似した能力
- より広範囲での能力行使が可能
- 島全体を操作できる可能性を秘める
ピサロの懸賞金は現在公表されていませんが、その経歴と能力から、相当な額であることが予想されます。
5番船船長:ラフィット
航海士を務めるラフィット(鬼保安官)は、身長340cm、年齢41歳のウエストブルー出身者です。
クロコダイル失脚後、黒ひげを王下七武海に推薦した重要な人物として知られています。
元保安官という経歴を持ちますが、過度な暴力行為により国外追放となった過去があります。
紳士的な口調と物腰の裏に、常軌を逸した暴力性を秘めており、さらに催眠術までも使いこなす多彩な能力の持ち主です。
特筆すべき能力
- 高度な催眠術の使用
- 紳士的な外見に似合わない戦闘能力
- 精密な航海技術
- 未確認の悪魔の実の能力の可能性
現在の懸賞金は4220万ベリーとなっています。
この額は彼の真の危険性を考慮すると、かなり控えめな評価である可能性が高いでしょう。
6番船船長:カタリーナ・デボン
黒ひげ海賊団唯一の女性メンバーであるカタリーナ・デボン(若月狩り)は、身長361cm、年齢36歳のサウスブルー出身です。
インペルダウンに収容されていた囚人の一人で、「史上最悪の女囚」として世界中に悪名を轟かせました。
その異名の由来となった「美女の生首コレクション」は、世界中を震撼させた凶悪な事件として現在も語り継がれています。
優美な外見とは裏腹に、その残虐性は黒ひげ海賊団の中でも特筆されるものです。
悪魔の実の能力:イヌイヌの実 モデル九尾の狐(動物系)
- 九尾の狐への変身能力
- 他者の姿への変身能力
- 通常のゾオン系能力に加え、高度な変身能力を保持
- 服装まで完全にコピー可能な完璧な変身能力
デボンの懸賞金は現在非公表となっていますが、その凶悪な犯罪歴と特異な能力から、相当な額に設定されていることが推測されます。
7番船船長:サンファン・ウルフ
「巨大戦艦」の異名を持つサンファン・ウルフは、ウエストブルー出身の特異な巨人族です。
年齢99歳ながら、通常の巨人族の10倍以上もの巨体を持つという特徴があります。
その規模は「ウルフより大きい生物は存在しない」と言われるほどです。
インペルダウン収容時から能力者であった可能性が指摘されており、61巻で海に浸かった際に「体に力が入らない」と述べていたことから、能力者特有の症状を示していたことが分かっています。
悪魔の実の能力:デカデカの実(超人系)
- 身体の巨大化が可能
- 既に巨大な体格をさらに増大させる能力
- 戦闘での活用方法に関しては未知の部分が多い
- 能力と本来の巨人族としての特性との相乗効果の可能性
ウルフの懸賞金は現在も明らかにされていませんが、その圧倒的な物理的破壊力から、相当な額に設定されていることが予想されます。
8番船船長:バスコ・ショット
「大酒のバスコ・ショット」の異名を持つ8番船船長は、身長573cm、年齢38歳のサウスブルー出身です。
インペルダウンに収容されていた囚人の一人で、その異名の通り並外れた大酒飲みとして知られています。
特筆すべきは、脱獄直後から酒を求めるほどの酒への執着心です。
これは単なる嗜好品以上の意味を持つ可能性があり、彼の能力と何らかの関連性があることが示唆されています。
悪魔の実の能力:ガブガブの実(超人系)
- 周囲への酒気の影響力
- 水分の酒への変換能力の可能性
- 戦闘における独特の応用方法
- 常時飲酒が必要となる特殊な能力の性質
推測される能力効果
- 周囲の人物をほろ酔い状態にする可能性
- 戦闘意欲の低下を引き起こす効果
- 水分操作に関連する未知の能力
- 独自の戦闘スタイルへの応用
バスコ・ショットの懸賞金は現時点で公表されていませんが、その危険な能力と凶悪性から、相当額に上ることが予想されます。
9番船船長:ドクQ
船医を務めるドクQ(死神)は、身長342cm、年齢28歳のノースブルー出身です。
常に吐血し、立っているのもやっとという虚弱な様子を見せ、本人も「生まれつき身体が弱い」と述べています。
しかし、マリンフォード頂上戦争での白ひげへの大鎌攻撃など、その実態には多くの謎が残されています。
愛馬「ストロンガー」も同様に虚弱に見えますが、これらは全て能力の影響である可能性が指摘されています。
悪魔の実の能力:シクシクの実(超人系)
- 病気の感染能力
- 感染症の伝染連鎖
- 治癒による連鎖的な回復効果
- ハート海賊団への性転換など、多様な症状の発現
能力の特徴と影響
- 広範囲への病気の伝播が可能
- 複雑な症状の操作能力
- 本人への能力の影響の可能性
- 医療知識を活かした能力の応用
現在の懸賞金は7200万ベリーとなっていますが、その能力の危険性を考えると、実際の脅威度はさらに高い可能性があります。
10番船船長:クザン
元海軍大将の青キジことクザンは、身長298cm、年齢49歳のサウスブルー出身です。
マイペースな性格と「ダラけきった正義」を掲げる独特の価値観の持ち主で、師匠であるガープに似た一面も持っています。
頂上戦争後、海軍元帥の座を巡って赤犬と死闘を繰り広げ敗北。
その後、海軍を離れ、黒ひげ海賊団に加入するという衝撃的な選択をしました。
悪魔の実の能力:ヒエヒエの実(自然系)
- 体の氷化能力
- 冷気放出による広範囲の凍結
- 海面凍結による独自の移動手段
- ロギア系特有の物理攻撃への耐性
能力の特徴
- 固体のロギア系という特殊性
- 砕けやすい欠点を持つ反面、即座の再生が可能
- 海での能力行使という特殊な利点
- 広範囲への影響力を持つ戦術的価値
クザンの現在の懸賞金は公表されていませんが、元海軍大将という経歴と強大な能力から、極めて高額であることが予想されます。
黒ひげ海賊団の3つの謎
ここからは、黒ひげ海賊団を取り巻く3つの大きな謎について、詳しく考察していきます。
元海軍大将クザン加入の真相
クザン(青キジ)の黒ひげ海賊団加入は、『ワンピース』世界に大きな衝撃を与えました。
その真相について、以下の3つの可能性が考えられます。
1. SWORDのスパイ活動説
- SWORDは海賊組織に潜入して情報収集を行う機密特殊部隊
- ドレークが百獣海賊団に潜入していた前例あり
- SWORDメンバーは辞表を提出し、自由な行動が可能
- クザンも辞表提出済みでSWORDに所属している可能性
- ガープへの致命的な一撃の真相も、この説を裏付ける可能性
2. 世界秩序の破壊を目指す説
- クザンの世界政府への疑念(オハラ事件でのサウロとの関わり)
- 現行の世界秩序への根本的な不信感
- 黒ひげを利用した世界政府打倒の可能性
- 秩序の破壊による新たな世界の構築を目指している可能性
3. 独自の正義の追求説
- 海軍時代からの「ダラけきった正義」の進化
- 親友との戦いや敗北による価値観の変化
- 白ひげ亡き後の世界バランスの崩壊への危機感
- ゼファーのような「外からの正義」の実現を目指している可能性
- 組織の外から世界を救うダークヒーロー的存在への転身
これらの可能性は、クザンの性格や過去の言動から導き出されるものですが、小さな野心や復讐心からの行動である可能性は極めて低いと考えられます。
今後の物語展開でその真相が明らかになることが期待されます。
サーベルオブジーベック号の由来
黒ひげ海賊団の船「サーベルオブジーベック号」は、『ONE PIECE大図鑑 VIVRE CARD』で初めてその名が明かされた謎多き船です。
原作やアニメでは名前が明かされていないことも、この船の謎深さを増す要因となっています。
船体の特徴
- 4本の丸太を繋ぎ合わせた独特の構造
- 船体内部に大砲が埋め込まれている設計
- シンプルながら実用性を重視した造り
- 通常の海賊船とは異なる特殊な外観
最も注目すべき点は、船名に含まれる「ジーベック」という名です。
これは、かつて海賊界に大きな影響力を持っていたロックス・D・ジーベックの名を想起させます。
この関連性から、以下の2つの重要な仮説が浮かび上がります。
1. 黒ひげとロックスの血縁関係説
- 船名が親子関係を示唆している可能性
- 両者の持つ破壊的な性質の類似性
- D.の意志の継承に関連する可能性
- 世界政府への強い敵対姿勢
2. ロックスへのリスペクト説
- 船名による敬意の表明
- ロックスの野望や理想への共感
- 世界の支配者に対する反逆の意志
- サーベル(剣)を冠する理由に込められた意味
特に「サーベル」という武器の名が冠されていることは、単なる偶然ではなく、何らかの深い意味や恨みが込められている可能性を示唆しています。
実在の海賊との関係性
黒ひげ海賊団、特にその提督マーシャル・D・ティーチには、実在の海賊との興味深い関連性が存在します。
そのモデルとされているのが、17世紀末から18世紀初頭にかけてカリブ海と大西洋沿岸を荒らし回った伝説の大海賊、エドワード・ティーチです。
エドワード・ティーチは、その特徴的な黒い髭と恐ろしい外見から「黒髭(Blackbeard)」の異名で知られ、当時の航海者たちから恐れられた存在でした。
この歴史上の海賊と『ワンピース』の黒ひげには、「ティーチ」という名字や「黒ひげ」の異名、そして周囲に恐怖を与える存在という共通点が見られます。
尾田栄一郎氏は、このように歴史上の実在の海賊から着想を得ることで、より深みのあるキャラクター造形に成功しています。
実在の海賊の要素を物語に取り入れることで、『ワンピース』の世界観により一層のリアリティとスケール感をもたらしているのです。
このような実在の海賊との関連性は、黒ひげという人物の持つ危険性や破壊性をより説得力のあるものとして描き出すことに成功していると言えるでしょう。
まとめ
黒ひげ海賊団は、2つの悪魔の実を有する提督マーシャル・D・ティーチを筆頭に、元死刑囚や元海軍大将など、異色のメンバーで構成される危険な組織です。
船名「サーベルオブジーベック号」に秘められた謎や、クザンの加入理由など、今後の物語展開における重要な伏線となる要素を多く含んでいます。
世界政府からも最重要監視対象として警戒される彼らの真の目的は、『ワンピース』の物語の核心に迫る重要な鍵となるでしょう。