世界政府の頂点に君臨する謎の5人組、五老星。
『ワンピース』において、その存在は世界の歴史を動かす重要な鍵を握ってきました。
初登場から21年という長い沈黙を経て、ついに明かされた彼らの正体は、作品の壮大な構想を物語るものでした。
物語の展開において常に重要な影響力を持ちながら、その正体は長年にわたって謎に包まれていた五老星。
世界最高権力者として知られる彼らの真の姿が明らかになったことで、『ワンピース』の物語はさらに新たな展開を見せています。
その役割や、名前に込められた意味、さらには実在の偉人との関連性まで、驚くべき設定の数々が明らかになってきました。
この記事では、五老星の正体から、イム様やシャンクスとの関係性まで明らかになった全ての情報を詳しく解説します。
五老星とは?世界最高権力者の全貌
ここからは、『ワンピース』の世界における最高権力者、五老星の基本的な情報と、彼らが世界に与える影響力について詳しく解説していきます。
五老星の基本情報
世界政府における最高位に位置する五老星は、天竜人の頂点に立つ5人の絶対的支配者です。
彼らは世界政府の意思決定において、絶大な権力を持つ存在として描かれています。
五老星の存在が読者に初めて明かされたのは、『ワンピース』25巻233話「世界最高権力」でした。
当時は謎めいた存在として登場し、その正体について様々な憶測を呼びました。
そして、実に21年の時を経て、107巻1086話において、ついに彼らの名前と役職が明らかになったのです。
この21年という歳月は、尾田栄一郎先生の緻密な物語作りを示すと同時に、五老星という存在の重要性を物語っています。
彼らの情報が明かされるまでに要した時間は、『ワンピース』という物語の壮大さを象徴しているとも言えるでしょう。
五老星が世界に与える影響
五老星の影響力は、『ワンピース』の世界全体に及んでいます。
彼らは単なる権力者としてだけでなく、世界の歴史そのものを操作する存在として描かれています。
具体的には以下のような権限を持っています。
- 世界政府の最高意思決定権
- 海軍本部への直接的な命令権
- 歴史の改竄に関する決定権
- バスターコールの発動権限
- 天竜人の統括権限
特筆すべきは、彼らが持つ「武神」という役職です。
これは単なる行政官としての立場を超えた、より深い意味を持つ称号であると考えられます。
環境、法務、農務、財務、科学防衛という各分野を統括することで、世界の秩序を維持する仕組みを構築しているのです。
また、五老星は世界政府の表の顔としても重要な役割を果たしています。
世界会議での発言権や、各国の王族との交渉権を持ち、世界の政治的均衡を保つ要としての機能も担っているのです。
この大見出しでは、五老星の基本的な情報と影響力について解説しました。
続く章では、それぞれのメンバーの詳細な情報に踏み込んでいきます。
五老星メンバー紹介
ここからは、『ワンピース』で明らかになった五老星の各メンバーについて、その特徴や役職、そして注目すべき点を詳しく解説していきます。
環境武神:マーカス・マーズ聖
世界政府の環境分野を統括するマーカス・マーズ聖は、五老星の中でも際立った存在感を放つメンバーです。
長く伸びた白髪と、赤足のゼフを思わせる特徴的な顎髭を持つ彼は、常に直立不動の姿勢を保っています。
その圧倒的な身長は五老星の中でも最大級であり、常に立っている姿勢と相まって、独特の威圧感を生み出しています。
声優の園部啓一氏が演じる低く重厚な声質も、その威厳ある存在感を一層引き立てています。
環境武神という役職は、世界の自然環境や気候に関する重要事項を統括する立場を示唆しています。
この役職は、『ワンピース』の世界における環境問題や、古代兵器に関連する重要な伏線である可能性も考えられます。
法務武神:トップマン・ウォーキュリー聖
法務武神として世界の法秩序を司るトップマン・ウォーキュリー聖は、頭部に特徴的な痣を持ち、禿げ上がった頭頂部と横に伸びた髭が特徴的です。
五老星の中では最も背が低く、やや肥満体型の体格をしています。
平野正人氏が演じる彼の声は、その気難しい性格を見事に表現しています。
作中では常にグループの中央に座して発言することが多く、時として感情的になる様子も見られます。
この感情的な一面は、他の四人とは異なる個性として際立っています。
法務武神としての立場は、世界政府の法体系全体を統括する重要な位置づけです。
世界政府による裁判や処罰の決定に深く関わっているものと考えられます。
農務武神:シェパード・十・ピーター聖
農務武神を務めるシェパード・十・ピーター聖は、五老星の中で最も若々しい印象を与えるメンバーです。
胸元に刀傷のような痕跡を持ち、金髪の七三分けという特徴的な外見は、多くのファンの注目を集めています。
増谷康紀氏が演じる声質は、そのスタイリッシュな外見にふさわしい洗練された印象を与えています。
マーカス・マーズ聖に次ぐ高身長と相まって、五老星の中でも特に存在感のある人物として描かれています。
農務武神という役職は、世界の食糧供給や農業政策全般を統括する立場を示しています。
この役職は、『ワンピース』の世界における食糧問題や、各国の農業政策に深く関わっているものと推測されます。
財務武神:イーザンバロン・V・ナス寿郎聖
財務武神として世界経済を統括するイーザンバロン・V・ナス寿郎聖は、スキンヘッドと眼鏡という特徴的な外見を持ちます。
五老星の中で唯一眼鏡を着用し、常に日本刀を携えている点が印象的です。
緒方賢一氏が演じる重厚な声は、その風格ある佇まいを一層引き立てています。
特筆すべきは、彼が身につけている和風の装備です。
下駄を履き、初代鬼徹と思われる刀を持つその姿は、ワノ国との何らかの関連性を示唆しています。
「ナス寿郎」という名前の響きも、ワノ国風の命名であることから、彼の出自に関する様々な考察を呼んでいます。
財務武神としての立場は、世界経済の舵取りを担う重要な位置づけです。
世界経済会議や、各国の経済政策に対する強い影響力を持っていると考えられます。
科学防衛武神:ジェイガルシア・サターン
科学防衛武神のジェイガルシア・サターンは、ドレッドヘアーと帽子、そして左側の額に大きな傷跡という独特の風貌を持つメンバーです。
野田圭一氏が演じる声は、その謎めいた雰囲気を巧みに表現しています。
常に杖を携えているサターンですが、その戦闘的な性質は黄猿との共同行動などにも表れています。
特にエッグヘッド島への出撃は、科学防衛武神としての役割を強く示す出来事でした。
彼の顔の傷跡は、過去の激しい戦いの痕跡を思わせます。
科学防衛武神という役職は、世界政府の科学技術開発と防衛政策の両方を統括する立場を示しており、特にベガパンクの研究やSSG(特殊科学班)の開発に深く関与していることが示唆されています。
この大きな傷跡と戦闘的な性質は、科学防衛武神という役職との興味深い対比を生んでおり、彼の過去に何らかの重要な出来事があったことを暗示しているのかもしれません。
五老星の名前に秘められた壮大な構想
ここからは、『ワンピース』における五老星の名前に隠された深い意味と、その壮大な構想について詳しく解説していきます。
惑星名との関連性
五老星の名前には、太陽系の惑星名が巧妙に組み込まれています。
この命名には、単なる偶然を超えた緻密な計算が感じられます。
各メンバーの名前と対応する惑星の関係は以下の通りです。
- マーカス・マーズ聖 → 火星(Mars)
- トップマン・ウォーキュリー聖 → 水星(Mercury)
- シェパード・十・ピーター聖 → 木星(Jupiter)
- イーザンバロン・V・ナス寿郎聖 → 金星(Venus)
- ジェイガルシア・サターン → 土星(Saturn)
五芒星が示す深い意味
五老星の名前には、惑星名だけでなく、陰陽五行説との深い結びつきも見られます。
五芒星は古来より魔除けの呪符として知られ、木・火・土・金・水という5つの元素の相互作用を表現しています。
この五行と惑星の対応関係は以下のように考えられます。
- 木の気 → 木星(シェパード・十・ピーター聖)
- 火の気 → 火星(マーカス・マーズ聖)
- 土の気 → 土星(ジェイガルシア・サターン)
- 金の気 → 金星(イーザンバロン・V・ナス寿郎聖)
- 水の気 → 水星(トップマン・ウォーキュリー聖)
特に注目すべきは、彼らの名前に付けられた「聖」という文字です。
これは「星」ではなく敢えて「聖」が選ばれています。
この選択には、作中で重要な意味を持つ「夜明け」という概念との関連が示唆されています。
ペドロが語った「世界を夜明けへと導くもの」という言葉と、太陽神ニカとの対比を考えると、五老星は「夜明け」を妨げる存在として位置づけられている可能性があります。
つまり、「聖」という字には、彼らが表向きは神聖な存在でありながら、実際には「夜明け」に対する障壁となっているという皮肉が込められているのかもしれません。
世界の偉人をモデルにした五老星
ここからは、『ワンピース』の五老星のキャラクター造形において、モデルとされている世界の偉人たちとの関連性について詳しく解説していきます。
それぞれの五老星は、世界史に名を残す著名な偉人たちをモデルにしていると考えられています。
マーカス・マーズ聖のモデル:板垣退助
自由民権運動の立役者として知られる板垣退助は、民撰議院設立建白書の提出や、国民の政治参加を求めた運動を展開しました。
その強い信念と行動力は、マーカス・マーズ聖の威厳ある立ち振る舞いに反映されているように見えます。
トップマン・ウォーキュリー聖のモデル:ミハイル・ゴルバチョフ
旧ソ連最後の指導者として知られるゴルバチョフは、ペレストロイカ政策を実行し、世界の歴史を大きく動かしました。
経済の自由化や民主化を目指した改革は、世界政府の法務を司るウォーキュリー聖の立場と重なる部分があります。
シェパード・十・ピーター聖のモデル:エイブラハム・リンカーン
南北戦争時の大統領として、アメリカの統一に尽力したリンカーン。
奴隷解放宣言を出し、分断された国を一つにまとめ上げた手腕は、若き農務武神の持つ可能性を示唆しているのかもしれません。
イーザンバロン・V・ナス寿郎聖のモデル:マハトマ・ガンジー
非暴力・不服従の理念で、インド独立運動の精神的支柱となったガンジー。
その哲学的な思想と強い意志は、財務武神としての深い洞察力に通じるものがあります。
ジェイガルシア・サターン聖のモデル:カール・マルクス
共産主義思想の確立者として知られるマルクス。
その革新的な思想と社会への影響力は、科学防衛武神としての革新的な立場を反映しているとも考えられます。
偉人たちに込められた意図
五老星のモデルとなった偉人たちには、興味深い共通点があります。
それは、全員が既存の体制に対して「変革」を求めた人物だということです。
しかし、『ワンピース』の物語において、五老星は逆説的にも既存の体制を守る立場として描かれています。
この「革新者」と「保守者」という相反する性質の対比には、深い意味が込められているように思われます。
また、これらの偉人たちは皆、「自由」や「解放」を求めて戦った人物たちです。
しかし現在の五老星は、むしろ世界の自由を制限する立場にいます。
この設定には、権力者となった者が直面する矛盾や、理想と現実の乖離を表現する意図があるのかもしれません。
謎深まる五老星の人間関係
ここからは、『ワンピース』における五老星と、重要人物であるイム様、そしてシャンクスとの複雑な関係性について詳しく解説していきます。
イム様との従属関係
五老星とイム様の関係は、世界政府の権力構造における最も重要な要素の一つです。
90巻908話「世界会議開幕」において、五老星がイム様の前で膝を屈する衝撃的なシーンが描かれました。
この場面から読み取れる重要な情報は以下の通りです。
- 五老星でさえ、イム様に対して絶対的な服従の姿勢を示している
- 虚の玉座には五老星ですら座ることを許されていない
- 五老星は実質的にイム様の意思を世界政府組織に伝える橋渡し役を担っている
特筆すべきは、表向きは世界政府の最高権力者である五老星が、イム様の前では完全な従属者として振る舞う点です。
この構図は、世界政府の表と裏の権力構造を如実に物語っています。
シャンクスとの関わり
シャンクスと五老星の関係性は、『ワンピース』の物語における大きな謎の一つです。
両者の接点として最も注目すべきは、五老星がシャンクスとの面会に応じた場面でしょう。
この関係性について、以下の重要な点が考えられます。
- 五老星は「君だから時間を取った」と発言している
- シャンクスは頂上戦争を止めることができた
- 世界政府に対して異常なまでの影響力を持っている
- 天竜人との何らかの関係が示唆されている
特に注目すべきは、シャンクスが持つ影響力の源泉です。
頂上戦争を終結させた際の権威的な立場は、通常の海賊では説明がつきません。
この謎を解く鍵として、シャンクスと天竜人との関係性が指摘されています。
彼が天竜人の出身である可能性は、以下の状況証拠から支持されています。
- 五老星との異例の面会が実現している
- 世界政府の最高意思決定に影響を与えられる
- マリージョアへの出入りが可能である
- 世界会議にも影響力を持っている
このような特別な立場は、シャンクスが単なる海賊以上の存在であることを強く示唆しています。
五老星との関係性は、今後の物語展開における重要な伏線となる可能性が高いと考えられます。
まとめ
21年という長い時を経て、ついに明かされた五老星の正体。
彼らの存在は『ワンピース』の世界における権力構造や秩序の象徴として描かれています。
惑星名を基にした名前、偉人たちをモデルにした人物像、そしてイム様やシャンクスとの謎めいた関係性。
これらの要素は、今後の物語展開において重要な意味を持つことでしょう。
五老星の真実が明らかになったことで、世界政府の闇と「夜明け」へ向かう物語の方向性が、より鮮明になってきたと言えます。
今後の展開にも、引き続き注目していきましょう。